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Secret lover 4(BL)

 2006-10-14投稿
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智則が出て行った後の教室で、俺はまだ動けずに座り込んでいた。
中途半端に煽られた状態ですぐに講義に戻る事などできなかったのだ。
熱が治まるまで強制的にココに留まる事になった。

「…智のアホ」

悪態を吐きながらも心の奥で喜んでいる自分がいる。
そんな自分を自覚して溜め息が漏れた。
何だかんだ言いながらもアイツに惚れているのだ。選りにも選ってあんな“俺様”人間に。

「なんであんなヤツ好きになったんだろ…?」





俺達は二人とも一人暮らしをしている。
だから会う時はお互いの部屋で会う事が多い。と言ってもその殆んどが俺の部屋なのだが。

俺は昨日と同じように食事の準備をして智則が来るのを待っていた。
今日はアイツから来ると言ったんだ。昨日のような事は無いだろう。
そうこうしていると部屋のインターホンが鳴った。
玄関の扉を開けると、そこには傲慢極まりない恋人の姿。

「本日はお招きに与かり恐縮です」

智則が態と丁寧な言葉遣いでお辞儀をする。
恐縮なんて思ってもないくせに。

「お前が勝手に来ると言ったんだろうが」
「なんだよ、せっかく人が殊勝な態度を取ってやってるのに。上がるぞ」

勝手知ったるといった風情でズカズカと上がり込んでくる。
言った側から殊勝な態度など欠片も無くなっているではないか。
内心で溜め息を吐きながらその後に続く。

「なんだ。ブツブツ言いながらちゃんと料理作って待ってるじゃないか。
 そんなに俺が来るのが楽しみだったのか?」
「んなワケねぇだろ。全部昨日の残りもんだよ」

半分本当で半分が嘘。
昨日の残り物もあるが今日新しく作った物もある。
元々料理を作るのは好きな方だったのだが、最近磨きが掛っていると思う。
他でもないコイツに食べさせる為に。

「まぁ座れよ」
「ココは俺んちだぞ」
「堅いこと言うなよ。まだ怒ってんのか?ホラ、昨日の詫びだ」

そう言って智則が一本のボトルを出した。シャンパンだ。
ワインくらいは用意していたが、恐らく智則が持ってきた物の方が良い値段をしているのだろう。
ムスッとしながら智則の向かいに座る。
シャンパンの栓がポンッと高い音を立てて開けられ、こちらにボトルの口が向けられた。

「主賓の俺が注いでやるって言ってるんだ。もっと嬉しそうな顔をしろ」

差し出したグラスに注がれたシャンパンは淡い黄金色だった。

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