優にキスされてから、俺は変わった。
全く興味を示さなかった下駄箱に、入っているラブレターを読むようになっていた。
しかし、返事は書かない。何だかんだ言って、ずっと優の事が気になっていたからだ。
(優の奴、本気で俺の事……いやそんなことないよな)
そんなありえない事を考えてながら帰り道を歩いていると、後ろからいきなり声を掛けられた。
「あ、あの赤川君」「うわ!!びっくりした。なんだ勝又か。どうした?」
話し掛けてきたのは、学校で人気者の、勝又 美希(かつまた みき)だった。
「あ、ごめんなさい。びっくりさせちゃった?」「いや、そんなことないよ。で、なんか様?」すると、「あ、あの私……赤川君の事が好きなんです!!だから……付き合ってほしいんです!!」
事態が読めない。 勝又が俺に告ってる!? 唖然として、突っ立てる俺に、勝又が追討ちをかけるように言う。
「あ、あのダメですか?」上目遣いで聞いてくる。「いや、ダメじゃないよ!!むしろ、大歓迎!?」……何を言ってるんだ。俺は。「本当ですか!!やったー!!」
……えー!!勘違いっすかー!! まぁ、いいか。勝又可愛いし。
そんなことを考えるていると、勝又がいきなり抱き付いてきた。 「ちょっ、勝又!!」「名前で呼んでよ。いいでしょ ?」上目遣いで聞いてくる。 そんな目で見るな〜!!内心そう思いながら「い、いいよ。み、美希?」「ありがとっ!!修二!!」
チュッ!!
「!!」キスされた。……優の時の様なキスを。
罪悪感を、なぜか感じた。でも、なぜか優の時の様に突き飛ばそうとはしなかった。