[PR]
i-mobile

Secret lover 15(BL)【完】

 2006-10-31投稿
閲覧数[3152] 良い投票[79] 悪い投票[1]

あれから深く縺れ合った後、貴志は意識を手放した。
求めれば返してくれる。
嫌がる素振りをみせても本気で抵抗しないと知っていて貪り尽した。
宣言通りにメチャクチャにしても、結局は奪われてゆく余裕。
自分がこんなに男に溺れるとは思ってもみなかった。
今は隣で静かに寝息を立てる貴志のしっとりと汗に濡れた髪を掻き上げて、その額に口付ける。

「可哀想に…」

こんな男に捕まって。

「…諦めろ」

離すつもりは無いから。





欲望のままに抱き潰してしまった為に、案の定貴志は翌朝足腰が立たなくなっていた。
大学へは俺一人で行き、貴志は静養させた。

「じゃあ、行ってくる。大人しく寝てろよ」
「言われなくてもそうするさ」

ベッドに横になっている貴志の頭をクシャリと撫でて部屋のドアを開けた所で呼び止められる。

「智」
「ん?」
「行ってらっしゃい」
「…ああ。行ってくる」

普段通り講義を受け、普段通り過ごす。
だが、内心では講義などどうでもよかった。
講義終了と同時にさっさと荷物を纏めて大学を出た。
途中、ふと思い立ってコンビニで今日のノートをコピーしていると、同じゼミの奴に声を掛けられた。

「あれ?宮川じゃん。何してんの?」
「見て分からんか?コピーだよ」
「何で?」
「西本、今日休んでるから」
「お前らって仲悪いんじゃねぇの!?」
「別に。付き合いならお前らより長い」

そして深い。

「へぇ…」
「…それに今日の欠席は俺のせいだし」
「え?」

小さく呟いた声は相手には届かなかった。

「何でもない。じゃあな」

軽く手を挙げてその場を立ち去る。
その手首に光る真新しいシルバーのブレスレット。
それを見詰めて思わず笑みが溢れる。
コンビニを出た所で携帯を取り出し、画面を見なくても指が覚えている相手へ電話を掛けた。
数秒後に聞こえる聞き慣れた声。今日は些か掠れているが。

「ああ、俺だ。今から帰る。何か食いたい物はあるか?」

今日は特別優しくしてやろう。

「何?気持ち悪い?失礼な奴だな。俺は基本的に優しい男だぞ」

お前限定でイジメたくなるけど。

「は?馬鹿か。公衆の面前でそんな事言えるか」

俺をおちょくったらどうなるか、いい加減学習したらどうだ?
帰ったら嫌と言うほど聞かせてやるよ。


お前は大切な秘密の恋人だから…な?



―――END

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 悠 」の官能小説

もっと見る

その他の新着官能小説

もっと見る

[PR]
i-mobile
オススメ広告


▲ページトップ