この日…これと言ってミスのなかった私…
「やればできるじゃないか」
「…はぁ…」
「どうした…」
「…いえ…」
「ミスもなく、褒めてやったのに、不満そうだな…」
そうです…だって…だって…
「…主任…」
「なんだ…まだいたのか」
私…悲しくなった…
「浮かない顔をするな。どうしろと言うんだ」
「…あの…あの…」
事務所には係長と先輩社員…早く帰らないかなぁ…
「今日は久しぶりに飲みたいんだ。係長も一緒だけど、君も行くか?」
意地悪…
「いえ…私は飲めませんから…」
「そうか、残念だけど仕方ないね」
さっさと鍵を閉める準備…主任…主任…
二日間も恋い焦がれたねに…あんまりだ…
気が狂いそう…
翌日
「小池君…」
「はい…」
「ミスしたね…」
「…はい…」
「居残りだ」
さも残念そうな顔するのに苦労した。
静かな事務所…主任と二人きりの事務所…
「君…わざとミスしたね…」
「…」
バレた…
「そんなに残業したいか?」
「………はい……」
「まったく…」
「…」
「どうしたい…」
「…あの…」
「言わなきゃわかんないだろ」
「あの…あの…」