彼とは、まだきれいな関係だった。キスされて、胸に触れられた事があるけど、それ以上の進展がないままのプロポーズ……
答えに時間をもらって、その日は別れた。
『正直…君を欲しいと思わない日はないよ。ただよくわからないけど…君を大事に思う…とても…』
彼の誠実さが伝わって来て、胸が熱くなった……けど、……私の脳裏には…形にならないけど、ぼんやりお父さんが浮かぶ…
結婚…私に、そんな資格がある…?私が悪いんじゃない…でも…抵抗しても、やめようと思っても、…やめられない自分に腹が立った…
どっちにしても、私はあの父子相姦の呪縛にはまった女…
幸せな結婚…一人ぼっちになるお父さん…誠実な彼…淫らな行為…こんなややこしい事で悩むのは、元はと言えばお父さんのせいよ!…と言っても始まらない…
彼に打ち明けてみようか……それはやめた方がいい…
その週末、私は実家に帰る事にした。
これだけ悩む私の苦労も分かってほしかった。
「どうしたんだ、珍しく話なんて…」
優しい笑顔…ホッとする…でも憎らしい…
私の拗ねたような表情を笑った…
「何かあったのか?」