「もうオレもおじいちゃんか…」
そんな風に言ってたお父さんも、孫は可愛いらしい。ヨチヨチ歩くマコトを見て目を細めている。
「タカオ君は忙しいのか?」
「急に仕事が入って。来るのは、夜になるわ」
「よくあるのか?」
「メーカーだからね…たまに」
「大変だね。」
お父さんはマコトと散歩に出掛けた。
…久しぶりの実家…ちょっと古臭くなったような気がする…
お父さんはまだまだ若いけど、もう孫がいるんだもんね…
…離れの物置小屋…
私は懐かしさと、怖い物見たさで中に入ってみた。
土と、草の匂い…変わってないなぁ。…この椅子…まだあるんだ…少し…複雑な気持ちになりながら、椅子に座った。
『お前を…愛しているんだよ…』
………
はっ、と気がつくと、外は雨…
随分長いことぼんやりしてたような気がする…
!…マコト…お父さん…
慌てて小屋から戻ると、びしょ濡れのお父さんが、マコトをだっこして玄関に駆け込んだ。
「おぅい、お母さん風呂風呂、マコトがびしょ濡れだ」
外は大降り…お風呂では、キャッキャとマコトの声が聞こえる。
「いやあびっくりした!いきなりすごい雨だもんな」