スイッチオフ…
(最低だ…マコトと…マコトと…こんな風に…)
(許して…)
オン!
母さんはこぶしを太股に!トイレをがまんするような仕草で、腰を引いた。
オフ…
「キイチ…それ、もう返して…ね?」
少し充血した目で僕を見る。
……母さんはきれいだ……
赤く染まった頬…汗ばんだ白い肌…
マコトの前では、いつもそうだったんだろうか…。
今…母さんに…女の色気を感じる…
(…僕は…母さんを母親としてしか知らない…)
(……)
(……でも…マコトの前では女だったんだろう…?)
母さんの目が…うろたえてる…
オン!
(!…ん!)
母さんは片手でスカートを握り締め、片手は頭を支えてうつむいた…
(…とに…かく…出ましょ…)
今度はスキを突いて、伝票をひったくり、慌てて席を立った。
しかたなくオフ…
店を出ると母さんは足早に歩き出す。
「どこ行くんだよ」
「……」
「…キャンセル料払いに行くのか?…」
母さんは立ち止まった。
「知ってるんだ!隣りのホテル…予約してあるんだろ?」
勘ねんしたようにホテルへ…
フロントに向かった。僕は追い越して先にカウンターへ。
「母さん…6階らしいよ。」僕の手には部屋の鍵…