人妻の美佳に取って、隣人の優は心と身体を満たす必要な存在だった。只、肉欲を充たすだけではなく、夫の『恭介』と同じ位に大切な男だった。優のセンター試験の二次が始まり、彼女は彼の合格を祈った。そして、試験の合格発表の日が一週間後に迫っていた。
「美佳、今駅に居るんだけど。迎えに来てくれない?一緒に行きたい所があるんだ」
優からの電話で美佳は支度をして、車で彼を駅まで迎えに行った。今日は比較的に外は暖かかった。車で駅に迎えに行くと、彼は寒そうに彼女が迎えに来てくれるのを待っていた。クラクションを鳴らすと、彼は彼女が迎えに来ているのを知り、急いで車に駆け寄り助手席のドアを開けて乗り込んだ。
「ありがとう。今日、時間ある?時間があるなら、ドライブしようよ。道案内するから」
「判ったわ、お願いね」
車は静かに走り出す…彼は道案内をしながら、運転している彼女に指示をしている。車は段々と海に向かって走っているのが、彼女には理解できた。車は海沿いの道を走り、やがて彼は一軒の白い城の様な建物を差しながら言った。
「あそこへ行こう。凄く綺麗なラブホなんだよ。部屋から海が見渡せるんだよ、それも全部の部屋からね!」
彼女の視界の右際に白い壁の城が見えて来た。高台に建てられている事で海とその周辺の景色が良く見えると理解できた。
車は高台のホテルへと向かって走り出していた。彼女は彼との情事が一ヶ月以上に渡りお預け状態だった事で、彼が助手席に居るだけで牡丹の花から蜜を溢れさせていたのだった。