その夜、夕飯が済んだ頃、お姉ちゃんの友達が訪ねて来た。
この人はチョクチョク来る人だけど、姉ちゃんはあまり歓迎してない。風呂上がりのボクは、ちょうど今から帰る彼女と部屋の前で出会った。
「あ、カズキ君こんばんは。」
ボクも名前で呼んでもらえる。
「ねぇ、ミカ、たまにはカズキ君と一緒がいいな」
姉ちゃんは嫌な顔。
「何言ってんの、こんなヤツ…。つけあがるからダメよ!」
またいつものようにボクを追っ払おうとした。
「私カズキ君のファンなんだ。」
「え?こんなヤツの?」
「だって可愛いもん。お風呂上がりなんだぁ…きれいね」
照れてると、姉ちゃんが不機嫌な顔して顎であっち行けする。
ボクは逆らうつもりはないので、部屋に退散した。
友達を見送ったらしい姉ちゃんが階段を上がって来た。
コンコン
「あ、はい」
姉ちゃんは勝手に入ってベッドに座った。
机についてるボクをじっと見てる…?
視線を感じて振り返った。
「な、何?」
「何でも…」
なんか機嫌悪そう。
「あの人…帰ったの?」
「うん。しつこく来るからウザいんだけどね。あんたは気に入られていいかも知らないけど」