「お兄ちゃん、ゆうべ誰かいた?」
朝の美咲の一言にドキッとする。
「誰かって…いるわけないじゃん」
「…そうだけど…」
コイツ…なんか疑ってる…音量絞ってんだけどな…
「最近なんか声が聞こえるような気がすんのよね…」
「誰の…」
「わかんないよ、だから聞いてんの」
「テレビじゃないのか?」
「違う…ような気がする…」
オレは汗が出て来たので、さっさと身支度して車に乗った。
そしたら美咲が勝手に助手席に。
「なんだよ、遅刻するだろ、」
「なんか…隠してない?」
意地悪気な笑い…
「な、何を」
「さあね…私にはわかんないけど…」
ほくそ笑むから憎ったらしい。オレは頭を軽くはたいてやった。
「何よ、どうせなんか悪いことしてんでしょ」
「う、うるせー。悪いことって何だよ!」
「あのねぇ、なんかエッチな声みたいに聞こえるの!」
「ば〜か!欲求不満なんじゃねーのか?」
じぃ〜っとオレを疑わしそうに見てる…
「ほら、駅まで送ってやるから」
汗が出そう。帰ったら二号を隠さなきゃ…
とは言っても、オレの性欲は抑えられない。悪いことはしてないよ…相手は機械なんだから…