「…なんか…あったのか…?」
「何にもないよ」
いつものように返して来ない。そっとしといた方がいいのかな。
その日美咲は風呂の交代も教えてくれなかった。2、3日は鏡の前で髪をとくことも、なかった…
気にはなっていた。それに少し寂しい。
オレは学校を一日休み、美咲の帰りを待ってから悩みを聞いてやろうと思った。帰るまでは思いきり…
「明日、何時頃帰る?」
「3時頃かな…どうして?」
「いや…別に…オレ明日休みだけど…鍵持っててくれよ…」
「…いつも持ってるよ…大丈夫。…休みって…なんかあるの?」
「いや…多分寝てるよ」
起きたのは10時頃…
もうみんな出払ったらしい。
オレは二号を押し入れから解放してやり、玄関の鏡を確認しに下りた。念のためチェーンロックまでしてから、キッチンでのんびり朝飯をとった。
今日は、少し音量を上げて、思いきり美咲二号を…美咲の服も拝借しよう…
美咲の部屋…
かわいらしい女の子の部屋…
アクリルの衣装ケースには、色とりどりの下着が、整然と並べてある。
これを抜いて戻す自信がない。下着は…諦めよう…