美咲を眺めた…
「そんな目で見ちゃダメえ…」
「なんで?」
「だって私…」
「なんだ?」
「…困ってるんだから…」
「困る?」
「…お兄ちゃん、今日すごいかっこよく見えちゃう…」
「エヘ、そうか?」
おどけて見せたのに、美咲は目を潤ませた…オレの手を握り返す…
「……」
時計はまだ昼過ぎ…
オレは自販機の前に車を停めた…
ジュースを買って手渡す…美咲を見つめながら…
「…キャハ…見ないでったらぁ」
「何でぇ?」
「どうすんのよ…まだこんな時間なのに…」
「何が…?」
「…なんか…いっぱい甘えたくなっちゃう…ハハハ…」
「甘えりゃいいじゃん…」
「違うのぉ」
駄々をこねるようにオレの指をつかむ…
「何?どうしたいの…」
「ンもう…恥ずかしくて言えないよ」
「昼飯食ったばっかだしな…」
「ンもう!わかってて聞かないでよぅ…」
美咲はバチンとオレの腕をたたいた。
「いてっ…あのさ…」「…うん?」
「男ってバカだから…わかってて言わせたいんだよ…」
「え〜…悪趣味…」
「いいじゃん…」
「そんなこと言わせて何が楽しいのよぅ…」美咲は真っ赤になってほっぺを手で押さえる…