●母親との会話
まず第一に、母さんが俺達に姉弟に対し無関心なようで
実はとても大事に思ってくれていることが伝わってきて
感動したっす。まぁ、この話は省きますけど。
母さんはですね、姉ちゃんが中学か高校の時にチョコの
作り方を聞かれたそうなんです。バレンタインデーも近か
ったし一生懸命作っている様子を見て、(ほほう彼氏でも
出来たか?)と思ったそうなんです。ところがそのチョコの
行き先は俺だったそうで、「ハァ?」って感じだったそうです。
「アンタあの心の込め方は尋常じゃなかったわよ(笑)」
って言われました。俺はそんなことを全く知らなかったので
一口食べて「甘すぎじゃねーか?」なんて憎まれ口を叩いて
しまったんですね。そしたらすごい勢いで母さんに怒られた
って記憶があったんですよ。当時は(なんで俺ってこんなに
怒られなきゃいけないの?)って思ったのですが、謎は
全て解けたっす。
それから母さんは俺が知らなかったことを次々と教えてくれ
ました。姉ちゃんが中学生になる時に、泣きながら髪を黒く
染めたいと訴えたこと、黒いカラーコンタクトを買ってとせがまれた
こと、どうして私は他の人と違うのかと円形脱毛症になるまで
悩んでいたこと。
当時の俺はマジくそガキだったわけで、全然そんなことがあった
なんて気付いていなかったのです。