母親との話に戻りますね。
母さんは俺と姉ちゃんがこんなふうに一緒に励ましあいながら
過ごしてきたことを見守っていたわけです。「アンタが居なかったら
お姉ちゃんはどうなったただろう…」って涙ぐみながら話してくれました。
そりゃそうです、姉ちゃんが悩めば悩むほど、母さんはすごく辛い思いを
したはずです。姉ちゃんの悩みの原因は純日本人じゃないこと、
つまりハーフである母さんに全て跳ね返ってくるわけですからね。
お母さんは姉ちゃんに謝ることしか出来なかったそうです。
そして姉ちゃんと同じような悩みを母さん自身も若い頃に抱えていた
ということも教えてくれました。そんな時に力になれるのはやはり
身近にいつも居て支えてくれる家族だということを母さんは分かって
いるので、姉ちゃんが俺からいつまでたっても離れられない気持ちが
痛いほど分かるのだそうです。
最後に、「アンタに任せるわよ、母さん心配してないから。」と言われました。
俺には、
「だからといって近親相姦公認じゃねーぞ。オメーの理性に期待してるんだぞ!」
って聞こえました…。