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星に願いを NO.4

小椋都  2007-02-05投稿
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家に帰ると相変わらず玄関には男の靴。今日はわりと歳いってるのか、サラリーマンが履きそうな靴だ。

母の部屋からガタガタと規則正しい音が聞こえる。

「あぁん…ダメよ…そんなふうに…あぁっ…。」

「ここ…?ここどう…?」

「あぁっ!そこっ…!」

二人の卑隈な声が聞こえる。私はわざと荷物を置く音を大きくたてた。

二人は一瞬シンとしたかと思うとクスクスと笑いだした。そして母が口を開く。

「娘が帰って来ちゃった。」

「いくつなの?娘は。」

「20歳。根暗なの。」
「聞かせてやれば?」
「はぁん…っ…ちょっとぉ…あっ…あぁん…っ。」

「凄いな…ここ…ぐちゃぐちゃだよ?」

「あぁぁっ…あ……ッ」

愚かな男と女。私は家を後にした。思えばこうして家で自分の時間を得たことがあっただろうか。

公園で一人夜空を見れば今日は曇り。本当に私は一人なんだと思った。

私は歩いた。今夜はファミレスで休もうと歩いた。
あと少したてば出られる。出たら自由。そう言い聞かせながら。

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