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星に願いを NO.5

小椋都  2007-02-05投稿
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「季吹?何か顔色悪くないか?」

秀太郎に気づかれた。昨晩、ファミレスでずっとエアコンに当たっていたせいか、朝からずっと寒気がしていた。

「大丈夫だし。何でもない。」

私は秀太郎から離れ、作業に集中した。秀太郎はすぐに私の隣に寄って来て小声で話した。

「バイト終わったら待ってろよ。」

それだけ言うと私から離れて行った。

バイトが終わり、私はフラフラになりながら階段を降りて駐輪場へ行った。秀太郎を待つことなど考えられなかった。

「やっぱりな。」

秀太郎は私より先に駐輪場で待っていた。

「後ろ、乗れよ。」

秀太郎は私にヘルメットを渡すとエンジンをかけた。

「いいよ…。自分で帰れ…。」

言い終らないうちに頭がグラグラしてその場に私は座りこんだ。
秀太郎は黙って私の頭にヘルメットを被せ、私を抱き上げてバイクの後ろに乗せた。

「捕まってろよ?」

秀太郎はゆっくりとバイクを走らせた。秀太郎の背中は広くて優しい匂いがした。

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