秀太郎の家から学校へ行き、バイトを終え、私は自宅に帰った。この日は母の声は聞こえず、鍵が開いていた。母が一人でいるのかと思った。
「お母さん…?」
部屋に明かりがついていたので声をかけると、食卓に座って酒を飲んでいる男がいた。
マズイと思った。
「礼子さんはまだだよ。」
男は30位のエリートサラリーマン風だった。一度見た事があった。私は無視して自分の部屋へ向かった。
男は私の腕を掴んだ。今まで恐れていたことだった。
「20歳なんだって?若いから躰持て余してるだろ?」
余りの恐怖に体が動かなかった。
「母親来るまで相手しろよ!」
その場に私は押し倒された。
「イヤッ!離してぇっ!」
私の抵抗は虚しく、男は私のシャツのボタンを引きちぎっていく。
「いやだぁぁっ!やめてぇ!」
男は私の懇願を無視して酒臭い息を吐きながら、私のブラをも剥いでいく。
「母親譲りのいい胸してんなぁ…。」
そう言うと、私の胸の先端に吸い付いてきた。
チュッ…チュパッ…
いやらしい音が部屋に響く。私はありったけの力を振り絞って男の頭を持ち上げた。
「大人しくしろ!」
男は拳で私の頬を殴り、そのまま行為を続けた。
昔、父に殴られた事を思い出した。大人しくしていれば酷いことはされないことを私は幼い頃から知っていた。
このまま、私はこの汚い男に…。
そう思った時、今朝の秀太郎の笑顔を思い出した。
その瞬間、私はテーブルクロスを引っ張り、食卓の上のものを落とした。そしてさっきまで男が飲んでいたビールの缶を掴むと微量のビールを男の目にひっかけた。