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星に願いを NO.16

小椋都  2007-02-13投稿
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「ねぇ。時々バイト休んでどこ行ってるの?」

私は秀太郎の横顔を見ながら尋ねた。整った鼻と長い睫毛が月に照らされて影になっている。

「あ… うん…。」

秀太郎は少し戸惑うようにタバコの火をつける。

「言いたくなかったら…。」

私が言い終わる前に秀太郎が口を開いた。

「カメラマンのアシスタントしてるんだ。」

私は驚いた。

「えっ…!?秀太郎が!?」

「うん。高校生からずっと。」

私の知らない秀太郎の世界がある。写真という世界。

「すごい!」

「すごくはないよ?パシリみたいなことしかしてないし。」

秀太郎が少し照れながら答える。

「カメラマンになるの…?」

「うん。なれたらいいなぁって。」

秀太郎は将来を考えている。私は生きる事が精一杯だったために、卒業後の事は何も考えていない。
私も何か探そう。秀太郎のように夢中になれるものを。追いかけられるものを。

私たちは空を眺めながら今日一日の話をして、ベッドに入った。
今日も秀太郎の腕に頭を乗せて眠れる。この瞬間が幸せだと思った。

「なれるといいね。」

私は天井を見ながら秀太郎に言った。

「うん。」

秀太郎の嬉しそうな声が聞こえた。

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