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星に願いを NO.17

小椋都  2007-02-13投稿
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その日は日曜日。もうすぐ夏休みを迎えようとしていた日だった。

「季吹。ちょっといい?」

「うん…?」

秀太郎は私を座らせた。とても真面目な顔をしていた。

「あのさ、あとどれくらいで資金できそう?」
秀太郎は少し申し訳なさそうに私を見た。

「あ…再来月にはたぶん…。」

秀太郎慌てながら言った。

「違うんだ。出て行って欲しいとかじゃないんだ。」

いつもと違う秀太郎。迷惑だったのかと私は思った。

「うん…。ごめんね。考えて見れば私は居候の身なわけだし…。」

よく考えれば他人と一緒に住むなどとても大変なことだ。家賃は一応払ってはいるが、ほとんどは秀太郎が持ってくれている。

「そうじゃなくて…。実はさ。」

「うん。」

秀太郎は何か困ったような顔をしている。

「俺、今の大学を辞めるんだ。」

「えっ…?」

私は動きを止めた。

「前から決めてたんだ。アメリカの学校へ行くんだ。」

胸がうるさいほど高鳴っていた。秀太郎がいなくなる。その事実に動揺を隠せなかった。

「カメラのため…?」

私はうつ向いたまま尋ねた。

「うん…。今月末には…。」

「あ…そうか…。」

外では蝉がうるさく鳴いていた。

私の胸は締め付けられた。

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