私たちはそのまま外を見つめていた。部屋の明かりは着けず、手にはビールの缶を持ったままだった。
どれくらいの時間が経っただろうか。
秀太郎がタバコに火をつけた。私はそれを見ていた。
秀太郎は私の視線に気づくと、そのまま反らさずにずっと見つめていた。
真っ黒な瞳。
私は恥ずかしくなって目を反らした。そんな私の腕を秀太郎が掴んだ。
大きな掌を私の二の腕はしっかり感じている。
「何…?」
私はうつ向いたまま、ポツンと話した。
秀太郎は私の二の腕を掴んだまま、タバコの火を消し、私手の中にあるビール缶を持った。
私はビール缶が窓の近くにある棚に置かれるのを見た。
カタンと音が聞こえる。
秀太郎は私を引き寄せ、キスをした。
秀太郎の柔らかい唇。夢にまで見た秀太郎の熱い唇。
私は目を閉じ、秀太郎の体に腕をまわした。
夏の夜の風邪がゆっくりとカーテンを揺らしていた。