キーンコーンカーンコーン・・・
「んじゃ、これでHR終わりー。次の予鈴がなったらまた教室に戻ってろよ」 ガヤガヤとクラスの皆はイスから立ち上がり始める。そして担任が思い出したように口を開く。「あ、そうそう、遅刻組は今進路指導室に来い」
(新学期から遅刻・・・ハァ〜・・・)心の中で溜め息を漏らす亨。しかし、別の事を考えたりもした。(桐生大輝くんって言うんだ・・・高1の時はクラス違ったし、見てるだけだったから・・・名前なんて分からなかったな・・・)
――――進路指導室
「よくもまぁ、新学期から遅刻なんて出来たよな?
何か遅刻してきた理由なんてあるのかな?」担任はわざと意地を悪くして訪ねて来る。
「・・・ゆっくり歩きすぎて・・・遅刻しました」
キョトンとした担任が答える。「ハハッッ!!お前らしいな!」
「で?桐生はどうなんだ?」まだ口元が笑っている担任が言う。
「・・・・・・俺も」
「そうかそうか。んじゃ、お前ら今日の教室掃除係な♪」「・・・・へっ?」思わず変な声を出した亨。「いや、その、掃除係決めんの忘れててな、次のLHRは一週間後だし、それまでやってくれるかな〜って思って♪ていうかさ、これは罰だから強制なんだよね」