暖かい春の陽射しが、
和雪の髪の毛にかかる。
和雪の髪が
きらきらゆれる。
僕の心も
ゆらゆらゆれる。
桜の花びら
ひらひらおどる。
心の底から愛する人と、ずっとこのまま永遠に
過ごせたらどんなに
幸せだろうか…。
例え同じ性だとしても
彼を…和雪を…僕は、
愛さずにはいられない。
彼に…和雪に…僕は、
惹かれずにはいられない。
例え、生まれ変わったとしても僕は必ず和雪を見つけだし、彼に惹かれ、彼を愛することだろう。
…お互いが、人の形をしてなくとも…。
…なのに僕は気持ちと
いつも裏腹なことばかり
和雪にぶつけてる。
ふたり、体育座りをして遠くの樹々の桜吹雪をみてる。
ふたりとも黙っているのになぜか満たされた気分になる。
…時間よ…このまま止まってしまえ…永遠に。
「このまま時間が止まればいいのにな」と、呟きながら、和雪は花びらを掴もうと右手で空を仰ぐ。
「……………」
以心伝心…?
僕は神様にありがとうといいたかった。
和雪に出逢わせてくれて 本当に本当にありがとう。
僕は下を向いた。にじんだ涙を和雪に見せまいと、うつむいて泣いた。
続く