「ここは霊の通り道のようね、あなたはたまたま色情霊にとり憑かれやすいのよ。
それにしてもすごい数だわ」
堀田さんはそう言いながらずかずかと奥の扉に向かっていった。
「だ、大丈夫なんですか?」
慌てて後ろについていく。
「平気よ」
そう言って堀田さんは扉を開けた。
私の部屋は4日前と一見何も変わってないけど、淀んだ空気がいっぱいで汗のような臭いが満ちていた。
堀田さんは窓を全開にすると何やら小物をいっぱいとりだしてブツブツ言いだした。
お祓いしてるのかな?
しばらく黙って見ているとみるみる空気が軽くなっている感じがした。
絶対に換気してるからではない!と思う。
堀田さんはブツブツ言うのをとめるとよっこらせって座り込んで大きく息を吐いた。
「今いる霊達はただそこにいるだけの弱い霊よ。とりあえず祓っておいたけど、まだまだすごいのがいるはずよ。夜まで待ちましょう」
まだ終わりじゃないみたい。
夕食を済ませ、部屋でだらだらしゃべってるといつのまにか11時をまわっていた。
しばらく友達のとこで寝泊りして気が張っていたのか眠くなってきた。
「疲れたなら寝ちゃいなさい、目が覚めたらすべて終わってるから」
堀田さんが気をつかってくれた。
私が起きてても何もできないだろうし寝ることにしよう。
そう思って布団に入ってから10分もたたないうちに私は寝てしまった。
そして本当の悪夢がはじまった。
気がつくと部屋に一人寝ている私のまわりはあの見知らぬ男の人達に囲まれていた。
影のようにぼやけていて顔も服装も見ようとしてもはっきりしない。
そして私は縛られているわけでもないのに身動きどころか
まばたき一つできない。
たくさんの手が伸びてきてパジャマに触れる。
前よりもずっと力強く感じるその手がパジャマを握ると激しく引き裂いた。
露になった私の胸を乱暴に揉みしだく。
『白くてやわらかくてイイおっぱいだ』
『白くてやわらかくてイイおっぱいだ』
『白くて・・・』
影の男たちの一人が下品な口調でつぶやくとまわりの男たちが一斉に同じ言葉を口にした。
そして私の二つの乳首に影が重なるようにたくさんの口が吸い付いてくる。
ジュルジュル、ジュパ
そんな音が何重奏にも重なって胸の先から聞こえてくる。
私は恐怖も嫌悪感もまとめて歯を噛みしめてじっと耐えていたけど、
段々と体は熱くなってきていた。