愛子は混乱していた。
するなとゆう方が無理だ。
拉致されて身の危険の極致のはずが格闘技をやって勝てば1000万円くれるとゆう。
それもテレビで放映されるような格闘技の興行のイベンターでもないただの女子大生の自分にである。
冷静に事態をのみこもうとするにつれて、当然のように裏があるとしか思えなくなってくる。
そうなると爺さんの笑顔もただの意地悪い作り笑いにしか見えなくなる。
「お断わりしま・・・!きゃあ!」
最後まで言えなかった。
老人は笑顔を崩さぬまま、いつのまにか手に持った杖の先を愛子のあごの先に突き付けたのだ。
「お嬢さんや
わしはな、頼んでおるのではない。出ることはもう決まった事なのだよ。あとはお前さんに要領を教えるだけじゃ。どうしても拒否するなら仕方ない、どこぞの人買いにでも二束三文で売り飛ばすしかないのう」
「え・・・」
最後の言葉に愛子はぎくりとした。
この連中が危険すぎるくらい危険だとゆうのは世間知らずの女子大生でもわかる。
おとなしく従うしかなさそうだ。
老人は愛子のそんな様子を見て満足そうに頷くと
「ではルールの説明にはいろうかの」
杖を下げるとまたホッホッホッと笑った。
ルールの内容は愛子が愕然とするものだった。
格闘技とは名ばかりの強姦ショーなのだ。
愛子が抗議の声を挙げるたびに老人は脅すような事を並べ立てたが、それでも愛子が泣きべそをかきながらできませんと言うとしまいにはテープで口を塞いでしまった。
「物分かりの悪い小娘が」
そうぼやきながら老人はルールを説明し終えると、それを明記した紙を愛子の膝のうえに置いて部屋を出ていった。
愛子は縛られた上に口をテープで塞がれたまま、ただ泣くしかなかった。
愛子の出させられる試合とは・・・
相手が男で愛子は打撃や関節技、投げ技を駆使して相手を倒すか制限時間いっぱいまで逃げ切れば勝ちとゆうものだ。
相手は愛子に対して打撃等の攻撃はできないがタックルや組みつきは可能で、セッ〇スまでもってゆく。
要はヤられてしまえば愛子の負けとなる。
負けた場合、観客の要望があれば次の試合に持ち越されるが無かった場合は観客を退屈させた罰が待っているらしい。
どうせろくなものではないだろう。
そして試合は翌日の晩に行われる。
愛子は絶望にうちひしがれていた。