止まった時間を、動かしたのは、智佳史だった。
「あっ…」
春日の中の智佳史は、今精を吐き出したにも関わらず、また熱を帯だしたのであった。
智佳史が、動き出す。
「あっ…やっ…」
イっても、イっても智佳史は、春日から離れることなく、腰を動かし続けた。
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「マジ?俺、ごめん…何も覚えてなくて…」
全ては、酔った上での出来事。
「誤らないでよ。俺は、それでも良いと思って、智佳史に抱かれたんだから」
「ほんと、ごめん。俺は、春日のこと、そんな風に見たことなかったから、やるだけやって、なんだけど、分からなくて…」
「もう、いいよ」
何度も謝られると、虚しくなる。
「俺は、智佳史に思い伝えられて、いっぱい抱いてもらえただけで、幸せだから…。今日のことは、忘れて…ね?」
春日は、ベッドから出ると、服を着始めた。
「じゃあね。智佳史」
「春日、野球辞めんなよ」 身支度を整え、部屋から出て行こうとする春日に向かって、智佳史が言った。 春日は、振り返ると、笑った。そして、部屋を出て行った。