試合が終って、しばらくしてから、春日から返事が返って来た。
この前の、居酒屋で会う事になった。
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居酒屋にやって来た春日は、儚げで今にも消えてしまいそうだった。
「この前の、ホテルに行くぞ」
智佳史は、春日に耳打ちをする。
「へっ…?」
戸惑う春日の手を取ると居酒屋を出て、ホテルへと向かって、歩いた。
ホテルに着くと、春日をベッドに押し倒し、キスをした。
「春日は、世界一の投手だよ。大丈夫。自信持って」「智佳史…」
「春日、野球辞めんなよ」 春日は、フルフルと頭を横に振る。
「怪我してから、春日の試合見れずに居た。あそこに立てないって思うと、悔しくて…だから、春日に連絡も出来なかった。今日、久しぶりに試合見た」
「最悪だっただろう?俺は、智佳史がいないと、何にも出来ない…」
「一緒に、居てやるよ。野球では、バッテリー組んであげられないけど、人生でなら、バッテリー組んでやるよ」
春日の綺麗な体を抱き締める。
何度も口付けを交し、何度も体を重ねた。離れていた十年を埋めるように―。
バッテリー・完