わたしといっしよに、なぜか熱く、赤ワインの様なものもついてきた。痛みが無くなったその左手でやさしく触ると、小刻みに震える。その物体でないめのは浮き上がった私の体の前をゆっくりただよったかとおもつたら、次第に前後に大きく大胆に動きはじめた。その温度を次第に高めながら、小刻みにゆっくりと入り込んだか震えながら。そして、そのガス状のものは、がくんと果てるかの動きの後、しばらくの間、余韻を楽しむかのように私の前をただよう。私の気持ちも高まり、同時にエクスタシーに達した。
と思った、次の瞬間、体の内側から破裂する様に快楽を一緒に持ち去るかの様に抜けていった。と、同時に私は完全に意識を失った。
それから、どれくらい経ったのか判らない。体の奥底にあの肉体的な快楽と異なる余韻と、現実的な痛みが残っている。しかし、その痛みは左肩ではなく、腰の部分に集中している。周りを見渡すと、病室にいる事に気付いた。なぜか目の前に、見舞いに来たという噂の常務がいた。が状況が理解できなかった。
2ヵ月しで私は、退院した。皆に話しを聞くと、生きていたのが奇跡らしい。たまたま同じエレベーターに乗り合わせた営業の男性に守られるように助かり、その男性は即死だった。そう、私は恵という名で生きている。退院後、その無くなった彼のところに焼香にいったが、昔から付き合っていた自分以上の感覚に陥ったのは言うまでもない。
その事故で、私恵は、子供が生めない体となったが、外観的には、全く事故を経験したことが判らないところまで回復した。かわったことといえば、ときどきむしょうに男性が欲しくなり誘われるのを待つ感覚がなくなった代わりに、女性の体、特におしりが気になり、首筋の匂いを嗅ぎたくなる衝動におそわれる。左肩の痛みとともに。 終