星史朗は頬を大きく膨らませ、「シロは、すごく…嬉しそうに…シッポを振るのに…」と唇もとんがらせてそう言った。
「だからぁ!僕はシロ(犬)ぢゃぁないってば?」
僕は怒りながら頭の泡を流し落とした。
「ふん」ぷいッとすると、星史朗はサッサと学ランに袖を通し始めた。
「待てよ!入江が『一緒に帰ろう』って言ってただろ…!」僕も大急ぎで学ランを着た。髪の毛は、ポタポタ雫が滴ってる。
「晶子…か…あいつ…ウザイ」と言いながら僕の顔面にバスタオルを投げつける星史朗。
「確かに!?いや、違う!
お前を逃がしたら僕は、入江に絞め殺される〜!!」僕はそのタオルを受取り、インド人のように素早くグルグル頭に巻きつけた。
「…春彦は…完全に晶子の下部だな…」星史朗はそう言うと眼鏡の中の切長の目をより細くして、やわらかく頬笑んだ。始めて僕に見せる笑顔だった。
その唇にチューぅ☆って、されたい!!!僕の心が、キュンと鷲掴みされる瞬間だった。
続く