サヤの心臓は破裂しそうだった。
ここは大学の体育館横の器具庫。電気は消えていて、誰もいない。
サヤと、博文を除いては。
「サヤちゃん……」
博文がサヤの肩に触れた。サヤは後ずさりする。
「近…よらないで…ください……。」
サヤはサッカーサークルのマネージャーで、博文は1つ上の選手だ。
整った顔立ちとサッカーのうまさから、女子学生の注目を集めまくっていた。
もちろんサヤも、博文に憧れている1人だった。
「サヤちゃん…なんで?俺のこと、好きなんでしょ?」
博文の手が、サヤの頬に触れる。唇が近づいてくる。