(触るな!喋るな!顔、見るな!)
日に日に、羽衣音を独占したい気持ちが強くなる。 「おしおき」は、段々エスカレートしていった。
放課後の生物室での、情事だけでは、足りなくなっていた。
休み時間、トイレに連れこんで、犯したこともあった。
羽衣音を独り占めしたいのに、このままじゃ羽衣音に嫌われてしまう。でも、どうしたらいいか分からなくて、苛立って来る。
「そんな、怒んないでよ。睦又」
いつの間にか、背後に数学担当の小峰夏生(こみねなつお)が、立っていた。 玲雄は、夏生の事が、嫌いであった。
夏生が、羽衣音と仲の良い教師だから―。