桐也は理子が校庭を眺めていた時、理子にも聞こえないよう警察に電話していた。
男たちは混乱し、急いで逃げ始めた。それでも理子の体に触ろうとする男もいたが、人の波に押されそれどころではなかった。
「桐也!!!!桐也!!!!」
全ての男たちが校庭から外へ出ようとしたため、混雑し、その間に警察のパトカーや護送車のようなものが何十台も学校の周りを囲んでいた。
「理・・・・・・子・・・」
この光景に目を丸くする警察官がほとんどだった。
まさかこんな夢みたいな話が・・・・・・。
男たちに踏みつけにされ、桐也は痛々しい姿だった。
「あの中の・・・数十人しか逮捕されない・・・・・・他は証拠もなにもないから・・」
「桐也、こんなことって」
「俺がもっと早く逃げさせていれば・・・」
「桐也は悪くない!あの人たちの中で何十人かが悪いんでしょ!?」
「結果的に、そうなるな」
桐也は理子のもとまでなんとか来ると粘着テープを剥がした。