サテラはブレザーを持ちながら器用にたたむと、膝掛けのようにして、ベッドに腰掛けた。
周も隣に座った。
よく陽が入ってくる部屋で、夕陽がサテラを照らしていた。
髪がキラキラ輝いて見えた。
「あ、コーヒーならあるけど、飲む?」
周は返答するよりはサテラを見ていたかった。
サテラもまた笑って周を見つめ返した。
「じゃあ、もらおうかな」
程なくサテラはコーヒーカップを二杯、持って帰ってきた。
サテラは日差しを避けて、テーブルの方に向かって、周の前に座った。
後ろ姿は高校生とは思えない色っぽさだった。
サテラは自分で髪を撫でおろした。周はその後に続いて髪を撫でてあげた。
「ちょ、くすっぐったいよ」
振り向いたサテラに周はまたキスをしてしまった。
コーヒーの苦味とサテラの唇の温度で分かったのは、ブラックのアイスコーヒーだということだった。
サテラはアイスコーヒーで体温を下げようと思っていたが、周を背後にして余計感覚が敏感になってきていた。