「今日は俺の家庭教師が来るって言ったじゃん!」 そう言われてやっと起き上がる亨。「父さんと母さんは?」拓也は溜め息を付いた。「呆れた。親父と母さんは久しぶりに実家に帰って今日は帰って来ないってそれも言ったろッッ!!だから兄ちゃんしか先生に挨拶する人がいないんだよ!」ベットから出て着替え始める亨は思い出したように言う。「あぁそうだった。何時に来るの?」「11時。」亨は自分の部屋の壁にかかっている硝子の時計を見た。時計は10時を少し過ぎた頃を差している。「まだ、時間に余裕があるな。部屋とかちゃんと片付けたか?」「うん。」「たぶん先生は昼食たべると思うから俺ご飯作ってるな。」「助かる〜♪さすが。気が利くね♪」上機嫌になった拓也は亨の部屋を出て一階の居間に向かった。亨も拓也に続く。拓也は居間の白いソファに座りテレビを見始め、亨はキッチンで客用のティーカップを1つ食器棚から出し、先生に出すお菓子を探している。11時になる5分前頃に玄関のインターフォンが鳴り響いた。『ピンポーン』「あ、来たかな?」そう言うと拓也は玄関に向かう。後に続く亨。・・・玄関に着いたその時、亨は息を飲んだ。(なんで桐生大揮がここに・・・?)