まただ…
目が覚めた。こんな真夜中
ちょうど3時。
締め切っているカーテンからは何の光もささない。
私は、ここ最近夢を見る。
同じ…夢…?
あれは夢というのか…?
それとも誰かが話ているだけ…?
「…う…怖…」
我ながら怖い考え。ここはマンションの12階。
下にいる人の話声なんてよほど大きくなければ聞こえないのに…。
あれは大声でもない。どちらかというと囁いている声だ。
背景などは全くない。
ただ真っ暗な闇だけが広がっていて…誰かが囁いている。
毎日同じ事を―\r
そして決まって目覚めるのはこの時間。
真夜中の3時―\r
ヴーッヴー―ッ「!」
マナーモードの携帯が私の体を乗せているベットの上で震える。
「こんな夜中に…由美かな…?」
しかしその画面に由美の名前は無かった。名前は…ない。
非通知でもない。
ただ画面は真っ暗で。機能だけが震え続ける。
「やだ……壊れたの…かな?」
一昨日変えたばっかなのに…
そう思い、少しだけ恐怖を感じながらしぶしぶ電話に出る。
「……は…い?…」
「やぁ、マリア」
「!」
私はその声に何故か恐怖を感じ瞬時に電源を切った。
だ、…だれ…?
聞いた事もない声。
なのにどうしてか
汗。そしてみるみる震え出す手。
脈が…痛い程早い。
「久しぶりだね。」
「!!」
切ったハズの電話からはまだ声が聞こえる。
「だ…れなの…?」
震える恐怖を飲み込んで受話器の向こうの人物に疑問を押し付ける。
「ひどいね。僕を忘れるなんて」
?!
し、らない…こんな人。だれ…?何のイタずら…?
だけどイタずらでない事は分かった。だって…
こんな声、知らないのに。
私の名前を知っている。
「でも仕方ないね」
低い声。きっと男。
淡々と話す口調。
まるで何の感情もないようだ。
「あの…人違い…されているんじゃ…」
私は声を振り絞った。