あまりにも現実じゃないような素敵な言葉に、亨は正直に受け止める事が出来ずにいた。
「い・・・つから?・・・だって・・・俺と桐生くんは話をした事だってなかったじゃないか」
「確かに、話をした事なんてなかった」
「じゃあ・・・どうして?」 大輝は恥ずかしそうにしながらもどこか悲しい顔を浮かべて答える。
「実は、高校入学する前に、俺の噂が広まっていたんだ。噂は『人殺しの子供がこの高校に入学してくる』ってんだぜ。笑えねぇ?ははっ。」亨は無理して笑っている痛々しい大輝を見て何も言えずにいた。
「そんな噂の中で俺は入学しちまった。俺が入学した頃には噂というより悪ぐち言われているようなもんだったけど・・・」
「そ・・・そんなのただの噂でしょ!?」
亨は大輝の悲しそうな表情を見て噂を流した見た事もない奴に怒りを覚えた。
「・・・事実じゃねぇ事は確かだ」大輝は力なく微笑む。そんな大輝に亨は問う。「誰も助けてくれなかったの・・・?」
「あぁ・・・まぁそうだな」 その言葉を聞いた瞬間、亨は心か痛んだ。
「けど、お前がいたから平気だったのかもな」
「え・・・?」