バタンと音を立てて放送室に飛び込んだ皐月の目に飛び込んだものは、制服をぬがされ、パンツ一枚になった美郷の姿だった。頭にかっと血が上り、皐月は内ドアに駆け寄った。
「開けなさい!」
ドアは内側から鍵が掛かっていた。叩いても男は手を止めない。美郷のパンツに指をかけて下ろしていく。
「鍵…確か鍵が生徒会室に…」
急いで引き返そうとする皐月の前に茜が立ちはだかった。カチャリと音がして、茜の後ろで放送室のドアの鍵が閉まった。
「鍵ならここよ」
茜は首に掛けた鍵を見せた。
「か…貸しなさい!」
茜は皐月の手をかわした。
「偉そうだねあんた、普通人にものを頼む時はもっと他に言い方があるんじゃないかい?」
「お…お願い…貸して下さい…」
「イヤだね」
「な…?」
「せっかくだからもう少し楽しみなよ、あの子の表情を。いいか、あの子をどうするもあたしの気分一つに掛かってんだ」
そう言いながら茜は持っていたロープで皐月の両手を縛った。