[PR]
i-mobile

艶夜の瞳?

のえ  2006-01-14投稿
閲覧数[2490] 良い投票[0] 悪い投票[0]

その日の朝、パンツの中がグッショリ濡れていた事以外は、いつもと何ら変わった事はなかった。しかし、後にこれがその日に起こった不思議な事件の引き金になろうとは、その時の風音は思いもしなかった。

風音は早起きな方だ。制服に着替えている途中、窓の外に黒い猫が見えたので、風音は窓を開けた。猫は窓から風音の部屋の床に飛び下りると、勝手知ったりとばかりにスタスタと部屋の隅へ行き、キャットフードを食べ始めた。それを見ながら風音が言う。

「窓開けとくね。……シクも、わざわざ部屋の中に入ってきて食べるくらいならいっそうちの猫になればいいのに」
猫の額や足などには最新作の傷。ノラ猫の性で、喧嘩でもしていなけりゃ毎日が収まりがつかないのだろう。食べ終わった黒猫は顧みもせずさっさと窓の縁に飛び乗った。いつもならそのまま尻尾を翻しさっさと行ってしまうのだが、今日はなぜかしばらく金色の瞳でじっと風音を見つめる。

「…何?シク」

靴下を履いていた風音が気付いて言った。“シク”とはつまり4(死)9(苦)で、どうせ黒猫が縁起悪いとか言うのなら、と風音が適当に付けた何とも陰気な名前である。シクは風音と目が合うと、途端に身を翻して去って行った。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 のえ 」の官能小説

もっと見る

恋愛の新着官能小説

もっと見る

[PR]
i-mobile
オススメ広告


▲ページトップ