真衣はその日の記憶はあまり無かった。
体育館の倉庫に使い捨てられた人形の様になっていたところを日向野に発見されたのは少しだけ覚えていた。
下半身どころか体中が痙攣している。
口の中に山内の精液が流し込まれているのだろう。不味い。
真衣は涙も枯れた虚ろな瞳で自分を抱き上げる日向野を見ていた。
真衣は無意識に日向野の胸に顔を埋めた。
友だちと日向野への片思いの話をしていたのが遠い昔のようだ。
不意に視界が暗くなる。
おそらく日向野がブレザーか何かをかけて自分を隠してくれたのだろう。
どんな格好で自分は抱き上げられているのかわからない。
今が何時で何日なのかすら。
「山内様っ!!っぅああ!!いいです!!!最高です!!」
「有沢真衣!!お前はっ!!!はぁ!はぁ!一生!!!俺のペットだ!!うぅっ!射る(でる)!!!!」
「っああああ!!!はぁっ・・・ぁぁ・・・」
ドクッ!!!・・・・ン
何度目の中出しだろう。
もう割れ目は精液で白く泡立っていた。陰毛が絡み合う。
顔にも射精されていた。片目がうまく開かない。
唇にベッタリついてる、胸にも。
山内はやっと満足したのか無言で体育倉庫を後にした。
真衣は意識と共に果てた。
そして目を開けると日向野が居たわけだった。
「・・・・・・・・・」
「有沢!?良かった、気がついた・・・!良かった!」
どこかに真衣を運んでいた日向野がなぜか声を潜めて呟いた。
ブレザーのちょうど襟のあたりから真衣の開いている片目が覗いていた。
「!・・・・・・」
「有沢、もう大丈夫だからな」
不意に真衣は柔らかい感覚の上に寝かせられた。
ベッドだ。それにこの部屋の匂い。色。少し高い天井。
「保健室だ」
「・・・・」
有沢、有沢、ともう一人呼ぶ声がする。
真衣、真衣!
「真衣!」
「しー、保健室は静かに」
女の声と、低い男の声がする。
目をうまく向けられない。
日向野くんが誰かを見てる。
日向野の横に立ったのは友だちの宮島理沙、日向野への片思いの事を話した真衣の親友だ。
低い男の声の主はおそらく保健室の男先生、藤堂先生だろう。