……
うっすらと白い景色が視界に入ってくる。
頭はまだ芯がぼんやりとしてはっきりしない。
…―ここは…?
「起きたか。」
少しハスキーで落ち着いた大人の男の声。
「………先生…。」
少し離れた壁際の机から立ち上がり橋田が近寄って来る。
柚木が目覚めた時には陽は傾き、既に放課後になっていった。
気怠い上体を起こそうとする柚木の胸元をスッ…と手が掠める。
「ふぅん…」
「!」
口元を歪ませてニヒルな笑みを浮かべる。
「それは河本のか?それとも…」
開襟の第二ボタンまでを外され、朱く鬱血した痕をなぞる。指の腹で撫でるように柚木の首筋から鎖骨、そして胸元へと辿っていく。
「…」
「お盛んな事だな。今日は何人喰った?」
「あんたで4人目…」
柚木の耳元でいやらしく囁く橋田の口に自らのそれを近づけて舌先で誘うように舐める。
「…っふ、ンッ」
貪るように深く食い付かれ、再びベッドに倒れそうになる。
何時もと変わらない情事。
求められれば求められるだけ、奪われるなら奪われるだけ相手を受け入れる。
相手の熱さに身を任せて自分という存在を跡形もなく破壊する。ただそれだけの筈…
「…?」