虎太郎が17歳の時、俺が産まれた。
当時の彼女(俺の母親だな)が、妊娠が分かった時、堕ろすと言ったらしいが、虎太郎が産めと言ったらしい。
彼女は虎太郎の説得に応じて産んだらしいが、その後蒸発したという話だ。
やっぱり、一人身は寂しいのかな…?
だったら、再婚しろって話だ!!
俺は、体にまとわりついてる虎太郎の手をどかすと起き上がった。
「今日は、日曜でしょ?学校休みでしょ?もう1回したい…?」
眠っていたと思ったが、チッ?起きていたか…。
「俺は休みだけど、虎太郎は、休みじゃないでしょ??」
虎太郎の職業は、野球選手だ。
高校時代に子供作っといて、よくドラフト指名されたなと思うが…。
これが、投手の腕だけはピカイチだったので、こんな不埒な男でも、構わないと取り合いになったんだそうだ。
「そうだよ。時間ないから早く…」
虎太郎の腕が、腰にまわされる。
「アホか?」
俺は、虎太郎の頭をゲンコツで殴った。