「どうしたんですか?」
立ち尽くす私に声をかける。全てにおいて陸とかけ離れている彼が。
「な、なんでもっ…」
「じゃあ、座って、お茶でも飲んでって下さい。余韻冷ましに。」
その余韻がなんの余韻なのか気づき、頬を染める私を伶くんはクスリと笑った。
ソファーに腰掛けると、数分して、湯気が上がるミルクティーが運ばれてきた。
受け取って口に含むとじわりと甘い味が広がった。
「俺、甘いの好きだから砂糖入れすぎたかもしれません」
そう言われてみると確かに甘ったるい。
「ん、別に平気…おいしい」
そうですか、と伶くんは言うと、少し間を空けた私の隣でテレビに見入り始めた。