降水確率50パーセント。南西の風やや強く、夕方からは突然の雷雨に…
……
そういえば、今朝ラジオでそんな事いってたな…
頭の片隅で、ぼぅっと思う。
いつものあてにならない天気予報をBGMに飛び出した今朝。
そんな時に限って…と、いい加減うんざり思いながら、オレの顔面目掛けて叩き付けてくる夕立の中、ようやく見つけた屋根つきのバス停目指して駆け抜ける。
学校ではもう少しで衣更えというこの時期。
猛暑が続いた今年は、夏が過ぎても相変わらずの厳しい暑さで、今日も雨の湿度も合わせてむせ返るような暑さだった。
「…ハァ」
勢いよく屋根に飛び込み小さく息を吐く。
シャツもズボンもビショビショで、前髪からはポタポタと大粒の水滴が落ちていた。
その時だった
―ぐいッ
「っ?!!」
突然凄い力で全身が引っ張られたかと思うといきなり背中から地面に叩きつけられる。
「!!ッぐ!」
一瞬肺を押さえ付けられるような圧迫感を胸に感じたかと思うと、今度は顔面に信じられない感覚がおりてきた。
「ッ??!!―」
息どころじゃない、口を塞がれたのだ。
それも…
「っふッ…ハ…ンンッー!!」
柔らかい濡れた感触と生暖かい息と体温の感触。