父親は、躊躇した。従業員の生活と命…悩んだ末に了解した。稔は懐から小切手をだした。さらさらと数字を書いた。そして父親に渡した。「二億ー!」驚きの声をあげた。「あとこれに一筆願います」と一枚の紙を渡した。「…乙にお渡しした商品の返品は、一切求めません。」父親は、確かめずにサインしてしまった…その直後!「では、娘さんを頂きます。これが商品です。」そう前から、せなの容姿を狙っていたのだ。「お、お断りします!」父親は、小切手を投げていった。「でも、売買は成立してますよ」稔は、紙をのばすと、契約書になっていたのだ…「娘には、結婚を二ヶ月後に控えているんです」「まだ取り消すことができるでしょう?従業員を捨てるんですか?取引先を捨てるんですか?娘さん一人でカタがつくんですから」と言われると父親は、黙ってしまった。