陽介が目を閉じながら私をぎゅっと抱きしめたまま呼吸を整えていた。私も胸について拭き取ってもらった精子の温かさを思い出しながら…なんだか愛されてるみたいだなぁとぼんやり思った。体を合わせている時の陽介が私の名前を何度も呼び、キスを繰り返し、行為を終えた後も腕枕をしながら私の髪を撫でてくれている。こんなこと、初めてかもしれない。「…どしたの?紫織さん。あ、俺の精子…気持ち悪かった?」ううんと首を振った。紫織さん…かぁ。さっきは紫織って呼んでたのに。…あれ。なんか私…勘違いしてる。私と村上陽介は教師と生徒だ。「あ…んっ」陽介が急に乳首を撫でてきた。「やだ。なにするの…。」「精子付いてたし」と陽介は悪戯に笑っていた。「嘘ばっかり…」…まるで恋人みたいじゃない…。少し目をそらすと陽介がキスをしてきた。「明日紫織さん、休みだっけ?まだ一緒に居れる?」と聞いてきた。「…居れるけど…」「よかった…このまま少し眠っていい?」…このままって…腕枕…「村上くん?」…もう眠っていた。私をぎゅっと抱きしめたまま。私は先程の卑猥な行為を思い出しながら、教師として、相手が生徒だということ、…後悔していた。…どうしよう…。