もうすぐアパートで、新婚生活か…
よくある新婚風景が目に浮かぶ…
「ちょっと勉強するから…」
「ああ…悪い悪い」
お兄ちゃんは隣の部屋に戻った。
ふさぎこむのも変に思えた。だから、笑顔でいようと思う。なのに、お兄ちゃんの顔を見るのが難しい…なんか素っ気無い行動になっちゃう…
お父さんもお母さんも、最近はお兄ちゃんの式の話ばかり…
一応話合わせるけど、部屋に戻って、勉強のフリをするコトが多くなった…
そんな中…
コンコン…
「ナナ、ちょっといい?」
お兄ちゃん…
お兄ちゃんはベッドに座った…
「なあに?」
「最近…元気ない…」
「どうして?結婚決まってウキウキなんじゃない?」
「オレじゃなくて、ナナのこと…」
バレるよね…やっぱり。
「そうかな…普通だけど…」
そう言いながら、目線がギクシャクしてる…
「アイツのこと…気に入らない?」
鋭いな…
「そんなこと…きれいで優しい人…お兄ちゃんにはもったいないぐらいだよ」
お兄ちゃんは力なく微笑んだ。
疑ってる…
「な、なに?」
私はお兄ちゃんの顔を見てしまった…
じっと私を見てる…