恥ずかしくて目をそらした。
「お兄ちゃんの結婚…いやか?」
「な、なんで?」
笑い飛ばしてやろうと思うのに、すぐに笑顔がしぼんじゃう…
「やっぱり、お兄ちゃんの顔…見てくれないんだな」
「え?」
私、ちょっと無理して見た…
「ああ…やっと見てくれた。」
お兄ちゃんは優しい微笑みで、私を見つめてくれた…
きれいな目…優しくて、深い愛情を感じる…。それが…苦しい…
「ちょっと、ジェラシーなのかも…」
ドキドキした…ちょっとのジェラシーじゃないけど、今はこう言うのが精一杯だった。
「ナナでも、そんなとこあるんだ?」
なんで?…
「ないとは。言えないよ」
私、声が…震えてる…?
「こっちおいで…」
恥ずかしくてたまらないからヤなのに…
仕方なく隣に座った…
お兄ちゃんはずっと私を見てる…
「あんまり見ないで…恥ずかしいじゃん」
「可愛いヤツだな」
お兄ちゃんは私の頭に手をやり、髪をくしゃっとしてくれた。
ああ…こんなコトも、結婚したらできなくなるんだろうな…
私…私…
お兄ちゃんの肩に、頭を乗っけた!
すごく甘えたくなった…