ピーッという機械音がして、真衣の絶頂を知らせた。
山内は苦悶の表情をしながら日向野に真衣を託した。
「あとの二人もその通帳の額で買う。それで良いんだろ?」
本当に理解しているのかも疑問だが、日向野は真衣には救世主に見えた。
「本当にありがとう!…本当に…ぅわああ!!」
真衣は日向野の胸で思い切り泣いた。
山内は群集を見回したが、明らかに通帳の額を超える大金を持っている生徒は居なかった。
無論、山内自身も。
理沙は自由になった途端、山内から盗撮映像のありかを聞き出して、奪い取った。
「これまでの事。警察で話しましょうか?」
「里奈ちゃんも証人になってくれるしね」
山内の計画は日向野がもたらしたとんでもない大金によって終わりを告げた。
なんとも矛盾した結末となった。
それから山内の犯行から芋づる式に共犯者たちや、老人たちの怪しげな組織、オークションで真衣を犯した生徒たちまで次々捕まったが、日向野だけは真衣が弁護した。