お兄ちゃんに優しく見つめられて、恥ずかしくなった…
「だから…ゆうべみたいにされると、お兄ちゃんだって、変な気持ちになるだろ?」
いじいじし過ぎて汗かいた私の手のひら…
(変な気持ちに…なった…の?)
すごくドキドキしながら、思い切って聞いてみた…
「そりゃ……なるさ」……
(恥ずかし…)
「ゴメン…」
変な気持ちになったのは、私も同じ…
少しだけ、近付いた…と言っても、パジャマの袖が触れるぐらい…
(でも…嬉しい…)
お兄ちゃんの喉がコクッと鳴った…
私は…普段見せないぐらい…可愛い女の子を演じた。
ゆうべみたいに可愛く見せて、お兄ちゃんにまた変な気持ちになってもらいたかった…
上目づかいに、お兄ちゃんをじっと見つめながら、下唇を噛んだ…
赤ちゃんみたいに甘えた目で、お兄ちゃんを見つめた。
お兄ちゃん…こっち見て…
(…そんな…可愛い顔…するなよ)
お兄ちゃんが…戸惑ってる…
私は…もう少しすり寄った…
腕の肉付きが感じられる…
…
誰もいない…
父さんも、母さんも、彼女も…
二人っきりなんだよ…