「彼氏、できたか？」
「出会いがないの。職場は女の人ばっかだし」
「ふうん…」
私をマジマジと見てる…
「な、何？」
「もったいないな」
「え〜？」
嬉しいけど…
お兄ちゃんは笑って、ジュースを出してくれた。
「お義姉さんが退院するまでウチにいればいいのに」
「そう思ったけど、こっちが病院に近いし。」
そうだよね…
「淋しくない？」
「淋しい」
私はニッコリ微笑んだ。
「遊びに来てあげなきゃね」
お兄ちゃんの表情が少し変わった。
あ…
そんな意味は…ない…とは言えないような…
微妙な雰囲気で静かになった…
「ジュース飲んだら…帰った方がいい？」
「あ…いや…もう少し…いてくれよ」
詰まりながら言うのは…どうして？
「ｳﾝ…じゃ、いる」
なんか…モジモジして座ってるのも不自然…
「あれだってね、奥さんが妊娠して浮気する男って、多いんだって」
アハハと力なく笑うお兄ちゃん。
「最低だよね、そんなの」
「…まあな…」
「お兄ちゃんは、大丈夫だった？」
いたずらっぽくからかった。
「オレだって、わかんないかもな…」
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