『…き』
『ん?何て?』
『………』
『メグ…?どうしたんだよ?今日はほんと怒ってるな〜いつもなら笑って許してくれるのにさ☆ほんとごめんなって!機嫌直してくれよ?☆』
ケイタはメグをギュッと抱き締めようとした。
『…ッ!…嘘吐き!!ケイタの嘘吐き!!最低だよ!!』
メグはケイタの腕を振り払ってぐちゃぐちゃになったプレゼントを投げつけた。
ドサッ…
『はぁ!?…どうしたんだよ!?』
『女の人とキスするの見た…手繋いで歩いて行くのも見たんだから!』
『……』
『何か言ってよぉ…嘘だって……』
『…面倒くせぇな』
『え…?』
『正直お前と付き合ったのも顔がタイプだったから、それだけ。それにあの女も遊び』
『でもメグ大好きって…ずっと一緒にいようって…いっ…てく…れてたのに…』
『フッ、嘘だよ』
『………』
まばたきさえ忘れたメグの目から大粒の涙がポロポロ溢れ落ちる。
『そろそろ飽きてきたんだよな〜ばいばいメグちゃん☆』
メグの知らないケイタが目の前に居てまるで悪魔みたいに笑ってメグの前から去っていく。
遠くを見つめながら適当にただ足を動かし、歩き続けた…心が痛くて、痛くて、ズキズキと痛むたびに涙が頬をつたった。
雪がチラチラと降ってきて頬に落ちては溶けた。
『おい』
『おい!!』
『…?』
20代前半くらいだろうか、ひとりの男が煙草を吸いながらメグを心配そうに見ている。
『大丈夫か?顔真っ青だぞ』
『………』
『…ひとりか?』
メグはコクンとうなずいた。
メグの悲しい表情、泣いてくずれた化粧。その男は何があったのか大体予想できた。
『俺と遊び行くか?』
『…うん』
『よし!じゃ行こうか!』
男はメグの腕を掴み歩き出した。
もう…誰でもいい……側に居てくれるなら…